お片づけ

のび太パパの禁煙(あるいはSamuel Langhorne Clemensの禁煙)並に、定期的に本棚の整理をしている。

美学

木曜の朝もそうしていた。 店内で一番窮屈なカウンター右隅に身体を沈めて、そうしないと入らないのだろう斜に開いた大柄の胴体から繋がる脚を大仰に組んでいた。上等な生地であつらえた太いズボンから硬く尖らせた靴を覗かせ、シャツの襟はしっかり締めて、…

誰も消してくれないのだろう?

このブログを始めた昔に、違和感のある「わたし」という一人称を選んだことを思い出す。今ではもう、「わたし」も相容れない。人称を体が受け付けない。「わたし」は、もはやわたしでも俺でも僕でも自分でもなくなってしまった。すり減らしてもすり減らして…

図書館が焚かれようとも

語るのも読むのもまたそれぞれの a Lonely Business なのだろうかIn the sweat of thy face shalt thou eat bread,till thou return unto the ground; for out of it wast thou taken:for dust thou art, and unto dust shalt thou return.ヒトはFrom the Du…

断片

、喪を、死者へ、我、 我? 死者 異者 他者 ミノタウロス 巡れ 闇の中異貌 地鳴りミノタウロス 、シ、社会の、使者を 割レ地獄 涸れた 出せ 思い出せ、殺せ、死者を、誰、 我?

たまに、今なら魔法が使えると思うことがある。そしていつも、つかみ損ねてしまう。たとえとして出すにもあまりに不遜だが、「キューブラ・カーン」の最後、詩人がかろうじて捉まえていた危ういイメージがコールリッジの手からふいとこぼれ落ち、ここで書き…

911再び

はてなでブログを始めたばかりの頃に911のことを、二台目の飛行機が刺さるのを生中継で見たことを、書いたことを思い出した。あの911で何より鮮明に覚えているのはビルから突き出た飛行機の胴体でもなければその後崩壊した貿易センターでもなく、人々の顔だ…

キャッチ=22

海外では原発で作業してる方々を"Fukusima 50"、KAMIKAZEなどと持ち上げて大賛美を始めたらしい。今こんなことを言ってはならないかもしれないが、これ自体はとても気持ちの悪い運動に見える。事後に英雄と祭るなら理解できるが、進行している戦争の中で英雄…

地震ほか

あれから未曾有の事態が起こり続けています。直接の知り合いもネット上だけの知己にも、安否の確認が取れた方もいれば、未だに取れていない方もいます。 みなさんのご無事を切に願っています。

物語

そろそろ真剣に「物語」あるいは「語ること」と向き合ってみようとか場違いなことを思った。発せられた言葉、あるいは言葉を発すること、はそのまま「物語」になる。これはさすがに言い過ぎだろうか。

感覚

たまにニュースを見る。以前から感じていたことだけど、ニュースや世間が当たり前に前提としていることと自分の感覚や認識が大きくずれていることに気づかされる。困ったなと思う。 大相撲の八百長問題 相撲に限った話でなくて、見世物として(つまりエンタ…

あなたたちは何をしていたのか、わたしは何をしていたのか

頼まれて中学三年生の教師をすることになった。既に十日ほどが過ぎた。まもなく高校受験を控えた生徒である。 彼は勉強ができない。 彼には「私が本を読む」のか「本が私を読む」のか、その区別がつかない。ことばというものの大切さも理解しない。美しい花…

恋する凡人

先日スピッツのシングル「つぐみ」が発売された。例によって当然のように購入したのだが、初聴の印象はよいものの、はっきりとそこまでいいとは思わなかった。 ただ漠然と、聴き込むうちによくなってくるだろうな、という予感があったのみだった。 それが数…

巨人戦

今日は今シーズン初の巨人戦と言うより、自分にとっては「俺の赤星」の解説デビュー戦だったわけだけれども。赤星、話が長い。こればっかりは中畑の方が一日の長があるなあと。中畑の解説うざいけど。 ふられないと話できないのに、マイクをつかむと解説が長…

サリム自伝

草野心平「サリム自伝」 平和のための戦争である。 戦争をするのは平和のためである。 人民あるいは人類のために、その平和のために人民を殺さなければならない。 人を殺すのは、すべて平和のためであり人を殺すためではない。 人を殺すためではないが人を殺…

もはや旧聞に属することだけれど

平和賞ご受賞のすばらしいスピーチに寄せて。草野心平から「サリム自伝」をオバマ大統領にお贈りします。

引越し、本末転倒、都落ち

24日の引越しは業者の予定で午後5時くらいからと聞いていたのだが、結局前日中に部屋の中は全て片付けて、PCも本体とディスプレイだけの状態にしてしまって、段ボールの山と、廃棄物と、それだけになってしまっていた。 朝早くに目が覚めてしまい、食べるも…

最終書き込みかも

これが、この部屋での最後の書き込みになるかもしれません。一回PCを落として、LAN回線などもすべて外して、捨てられるものは捨てて、という作業をします。その後でまた仮接続などできたら、するかもしれませんが……(なにしろ、引越し業者さんの方の都合で、…

アパート

スピッツにアパートと言う名曲がある。同棲していた女性と別れて、その部屋も無くなって、その後を歌ったものだ。今の自分とは状況は違うが。 君のアパートは今はもう無い だけど僕は夢から覚めちゃいない 一人きりさ 窓の外は朝だよ 壊れた季節の中で 誰の…

収納

実は引越しの準備は十日近く前に片付いてしまっていて、つまり住もうにも最低限のものしか残してない(それも今夜には廃棄するか、段ボールに詰められる)ため、今日まで名古屋の実家にいた。 引越しの立会いに、前日である今日に、こちらに戻ってきたのだが…

引越し前夜

いよいよ、明日が引越し当日になる。 なんだかんだと回りに迷惑をかけながら、長い時間をここで過ごした。この日記も、この部屋からは今日が最後の書き込みとなるだろう。もちろん実家に戻ればまた、すぐ回線をつなぐので書き込みはできるのですが……。 自分…

Joker

一年と三ヶ月ぶりに煙草を吸った。 俺は昔、Jokerという煙草を吸っていた。独特の臭いと味のある煙草で、自分は大好きだったけど、周りには非常に不評だった。細くて長い、茶色の、いかにも厨二病くさい煙草だった。自分と、当時の彼女にだけは好評だった。…

砕く

相変わらず引越し作業中。 今日は本当におかしくなるんじゃないかと思った。 何か自分を構成している大切だった過去の一部を、 自分で思い切り砕いたのだろう。 そういう作業をしているのだろう。

引越し

いろいろ事情があって引越しすることになった。 今、作業をしている。 無理やり実家に戻らされることになった。 と言った方が正しいのだろうか。 やはりキチガイに一人暮らしさせておくわけにはいかないと実家も思ったらしく、 強制的に引越し手続きが進行し…

今年もまたシーズンが始まる。何度この光景を見ただろう。 時間は重たくて嫌いだ。経たない一秒一秒がかえしのついた釣り針で刺していく。肉を穿つ。折り重ねた歳月が影の重みでついてくる。 例えば、この日記もいつの間にやら知らない機能で彩られている。…

書き始めてから、もう半日以上が過ぎた。それでもわたしは言葉を見出せないのか。わたしはなぜこんなものを書こうとしていたのか。けれども、何も前に進んでいない。 通りに人は少なかった。その一人一人が敵意を持っているようだった。すれ違う自転車、手押…

何もかもが、ちりぢりになった。身の回りのこと、自分の身に起きたこと、そんなささいな日常の全てがもう分からない。誰かが言ってくれた言葉、昨日の夢、かかってきた電話、どれひとつとしてその全体を思い出せない。なんでそんなせりふが出たのか、どこで…

日付さえ変わって、書き始めたからもう一日近く経とうとしている。けれどわたしはことばを見つけられないでいる。何を思ったのか、何を留めておきたかったのか。自分を切り刻んで、けれど何が変わるのか。もうやめてしまえばいいのに、なぜ、やめられないの…

パンを買って食べた。二日分の薬を飲んだ。 >

1965-7-23

あのままの自分で、部屋に帰ったよ わからない