愛は勝つ

 一昨日に先日発売されたスピッツのニューシングルを買った。ラジオなどで聴いていた時には気にならなかったはずなのだが、歌詞の「愛は必ず 最後に勝つだろう」でKANを思い出して吹き出してしまったわたしはそろそろ潮時かもしれない。
 それはともかく、冷静に歌詞カードを見てみたが結構いい詩なんじゃないだろうかと思った。いくらなんでも、と思うような言葉やイメージの使い方が昨今目立っていたが、これは傷(「愛は勝つ」を傷と見てしまうのはむしろ自分の責任かもしれない)はあるものの、全体として「かなり良い」と評価できる詩になっていると思う。少なくとも「なかなか良い」のレベルは優に超えている感触がある。曲は知らないけど。念のために書いておくが、「愛は必ず 最後に勝つだろう」にせよ、「そうゆうことにして 生きてゆける」と続く言葉に意味がある。
 ところでわたしは根性が曲がっているのか、愛は勝つなどと言われると、はーん、と鼻で笑ってしまうところがある。その曲がり具合を示唆するように、過去に出たスピッツのシングルではいわゆるA面曲よりもほぼ全てに関してB面(カップリング曲)の方が好きだったりする。少なくともわたしの主観の中では「スターゲイザー」よりも「三日月ロック#その3」の方がいい曲であるし、「夢追い虫」より「大宮サンセット」、「さわって・変わって」より「ガーベラ」「稲穂」の方が好きなのである。ああ、でも「夏の魔物」はA面だったか、確か。だから全てというわけでもない。ここ五年くらいの最近に限った話なのかもしれない。それにそもそも、そんなへそ曲がりもわたしだけのことでもあるまいし。
 だが、今回に関していえば「リコリス」よりも「正夢」の方がいいと思った。まあ、そんなこともあるだろう。

 
正夢

正夢