アパート

スピッツにアパートと言う名曲がある。同棲していた女性と別れて、その部屋も無くなって、その後を歌ったものだ。今の自分とは状況は違うが。

君のアパートは今はもう無い だけど僕は夢から覚めちゃいない
一人きりさ 窓の外は朝だよ 壊れた季節の中で
誰の目にも似合いの二人 そして違う未来を見てた二人
小さな箱に君を閉じ込めていた 壊れた季節の中で

そう恋をしてたのは僕のほうだよ 枯れていく花は置き去りにして
いつもわがまま 無い物ねだり わけも解らず 青の時は流れて


〜アパート/スピッツ『惑星のかけら』収録
惑星のかけら

ところで今、「アパート」の歌詞を見直して気がついたが、同棲していたのは男(僕)の部屋でですね。ずっと女(君)の部屋に住んでいたものと思っていました。
「君のアパート」というのは、君と住んでいた、この僕の部屋のことで、彼女が帰ってくることも二度となくなったその部屋に、男は「一人きり」でいて「窓の外は朝」になっている、という情景でしょうね。
そして、たぶんですが、同棲していた彼女とだめになった男は、今の自分のように、引越しして行くのでしょう。その「小さな箱」(自分のアパートの部屋)から。部屋に彼女の残したであろう「枯れていく花は置き去りにして」。


(この箇所ですが、あるいは、彼女が、自分のアパートの部屋に花を置き去りにして去って行った、ことを「いつもわがまま」で「無い物ねだり」ばかりする女性だったこととつなげて語っているのかもしれません。僕にはそれが「わけも解らず」理解しあえないまま、ただ若い時代は流れて去って行った……)


でもやはり自分には、「いつもわがまま」で「無い物ねだり」だったのは「僕」の方では無いかと思えるんですよね。つまり、「枯れていく花」と繋がるわけではなくて。そんな「僕」のわけのわからないうちに、「青の時」は流れ去って行ったような。