雑巾を絞っているうちに

 五時前になった。何一つ前には進んでいない、が五時前になった。もう、なのか、まだ、なのか分からないが五時前になった。すりガラスの窓の不恰好に突き出した縁枠に外気が当たってこんこんと鳴っている。そのうち明るくもなってしまうだろう。まだ暗い五階の空を風があてなく暴れている。暴れることができるのが、うらやましいと思う。