泡とブラシ

 ちょっと拭き掃除を始めただけのはずが数日がかりの大掃除になってしまった。コンピューターをばらしてたまったホコリを払い、キーボードのキーをマイナスドライバーで全部はずしてひとつひとつ雑巾で拭く。キーボードがまだ高かった頃は結構これをやる人もいたが、キーボードが1000円もせずに買える今時、誰もこんなことしないんじゃないかと思う。キーボードカバーも見かけなくなって久しい。カバーの方が中身より高いのだ。汚れたり壊れたりしたら新しいのを買う人がほとんどだろう。買いに行くのが面倒ということもあり、バラして掃除してみたが一つ一時間くらいかかってしまう。バカみたいだ。コンピューター周りやクーラーを掃除しながら、衣類を整理する。夏物をまとめて洗濯、自分で洗えるものはつけ置きし、洗えないものはたたんで紙袋につめ、今日クリーニングに持っていった。
 喫茶店でコーヒーを飲み、スポーツ紙を読む。四国リーグって面白そうだけど現実性はあるのかしら、と思う。八木の後釜に町田を取るという話の方がよっぽど気になっていたのだが続報はないようだ。
 それから今出川北の商店街に寄りじゅうたん用のゴミ取りや風呂掃除用のブラシなどを買う。これまで使っていたものは毛先がずいぶん開いてしまったのだ、変え時だろう。中身をクリーニング屋にばらまいて空になった紙袋から、ブラシの柄を突き出させてアパートに帰る。帰宅してから気がついたのだが紙袋はアルマーニのものだった。世の中広しといえどもアルマーニの袋に風呂用ブラシや室内用除湿消臭剤、それにトイレ用洗剤を入れてぶら下げて歩く二十代男性はそうはいまい。しかし丈夫で使いやすい大きさのいい袋なのである。気にせずこれからも使うだろう。底がしっかりしているので本を入れるのによさそうだ。古本屋めぐりにでも持っていこうか。
 さて、いよいよ最大問題の本の整理である。半分くらいは箱づめにしたので実家に送ってしまおうと思う。