ねこ

 きのう、ねこの夢をみた。おとといだったかもしれない、分からない。黒くも白くもないねこだった。全身が一色に塗りつぶされてるわけでもなければ、ぶちや、まだらのようにはっきりした模様があるわけでもなかった。くすんで汚いねこだったと思う。とにかく、ねこの夢をみた。それしかない。それ以上なにも書けない。わたしは時々、こうしてなにも書けなくなる。突然、フィラメントの切れた電球のように点かなくなる。これ以上、なにも書けない。
 ねこになりたいと思う。目が覚めたらねこになっていたい。わたしはねこに生まれたかった。次に目が覚めたら、ねこになっていたらいい。