故障について

 どうも壊れ気味。月の半ばには風邪で数日寝込んだ。体調の方は回復したが何かにつけ身体が止まってしまう。こうした文章を書くことにしても。
 言葉が混乱している。あぶくのように意味のない音や文字が浮かぶ。極彩色に、油の浮いた虫の甲殻のように変転しながら、しかしその万色のまだらの中にわたしの求める色はない。言葉のかけらをただの一つも掬い取れずにいる。
 いつものことかもしれない、久しぶりに、それが長く続いているというだけのことなのかもしれない。故障なら、ゆっくり直そうと思う。直らないものなら、だましだまし使い続ける他はないと思う。底に沈んだ何かへの憎悪に焼かれながらでも、ただわたしが滅びてしまわないうちに、それがなんとかなってくれればよいと思う。