目覚めのよくない朝に

 母と朝食を食べに行った。わたしは相当小さな頃で、けして大柄ではない母親の腰のところくらいまでしか身長がない。小学校にあがるかあがらないかという歳のことだろうか。ホテルか何かのモーニングサービスのようで、バイキング形式で各種のサラダやとりどりの形のパン、小さな三角錐になっているものまである、卵料理が数皿、スープが入っているらしい寸胴鍋、それから食べる人がいるのだろうか結構な大きさのステーキ、そんなものが馬蹄形に作ったテーブルの上に並べられている。入り口のところで会計を済ませて入る仕組みだ。そのレジスターの脇にはショーケースにケーキが並べられている。料理に比べてデザートの種類は少ないようだ。セットはAからDまであり、Aは飲み物だけで済ますための人のもの。Bはドリンクのほかにサラダとパンが供される。Cはすべての料理を好きに取ることが可能だ。Dはそれにデザートがつく。Dのデザートだけはバイキング形式ではなくて、注文の時、どれかひとつだけ盛ってもらうことになる。母はどのケーキにしようか思案した挙句、平べったいモンブランに似たデザートを選ぶが、レジでお金を払う段になっても自分のトレイとショーケースとを見比べつつ、やっぱり他のにしようかしらと迷っている。わたしはコーヒーだけにした。さっさと座りたいのだが、彼女はまだぐずぐずと店の入り口でトレイを持ってなにやら店員と話している。後ろには朝食を済ませたい客が列を作って待っている。そんな夢を見た。