バトンを落とす
tetsu23さんとishmaelさんからミュージカル・バトンというものを頂いた。上記のように、今ロクでもない精神状態なのでロクでもないことを書きそうである。恐らくお二人ともわたしに渡すのはdead-letter officeに手紙を書くようなものだとはご理解いただいていると思う。なので気にはしないことにする。よく知らないが、これはいろんなバリエーションがあったりするのだろうか。例えば本とか映画とか、いろんなもので似たようなことがされてるのかなあとも思う。とりあえず、麻痺した頭で考えてみる。
ええと、何を答えるんだっけ、これ? あ、頂いたお二人の所に書いてありますね。
- 今パソコンに入っている音楽ファイルの容量
14.8MBでした。実はつい先々週、100曲以上あったのをまとめて消したのです。それから三曲入れ直したのでこの容量になってます。
- 最後に買ったCD
シングルだけどいいのかな? アルバム限定ならスーベニアです。 もちろんA面の「春の歌」はスーベニアに収録されているわけで、それを知ってまだこのシングルを買うのもバカバカしい話なのだけど、つい買ってしまった。でもB面「テクテク」が非常にわたし好みの曲だったので、よいことにする。
『春の歌』
アーティスト: スピッツ
発売日: 2005/04/20
メディア: CD
- 今聴いている曲
なぜこんなものを聴いているかと問われれば、単にパワーズを読んでいるからに他ならない。
バッハ:ゴールドベルク変奏曲
グレン・グールド
Bach: The Goldberg Variations
Glenn Gould
The Gold Bug Variations作者: Richard Powers
出版社/メーカー: Perennial
発売日: 1992/09/01
メディア: ペーパーバック
- よく聞く、または特別な思い入れのある5曲
小学生だった頃、初めて自分で買ったアルバムがこれだった。わたしが持っているCDと全く同じものが見つからなかったので比較的近いものを探した。これは同じ録音によるものである(カップリングが違う)。名ヴァイオリニストとして名高いチョン・キョンファのデビューアルバムとなったもので、この時の演奏はまさに鬼気迫るものがある(近年、同曲を別に録音したが、そちらはさほどではない)。
チャイコフスキー:
ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35
チョン・キョンファ
ロンドン交響楽団
指揮:アンドレ・プレヴィン
このCDを手始めに、ラフマニノフ、ラヴェル「ボレロ」、フルトヴェングラー「第九」、惑星、それから声楽曲や合唱までさまざまなCDを買ったが、いつまでもわたしのクラシックの一番であり続けた。正直に言ってこの遊佐未森という人はまったく良いと思わない。聴くに耐えない曲が多い。だが、ごくわずかに、なんと言うか、たぶんこの人にしか歌えない曲があったりする。それがまた素晴らしいのだ。ここに挙げたのはベスト盤だが、この中に入っている「夏草の線路」などは比較的分かりやすくよい曲だと思う。
桃と耳〓遊佐未森ベストソングスアーティスト: 遊佐未森
発売日: 1992/11/01
メディア: CD
レオン・ラッセルは一時わたしのバイブルだった。独特の個性と、そして恐らく才能もあるのに、哀しいほど巡り合わせや運やその他いろいろなことがすべて悪く作用してイマイチぱっとしなかった。これはレオン・ラッセルのものだよね、という独自の音を持っており、名曲をいくつも書いたが本人が歌うとほとんど売れないのに、他の人がカバーするとよく売れる。例えば"A Song for You"というジャジィで静かなのに、同時に(実際には叫んでもいないのに)むせび叫ぶようなメッセージ性のある優れた曲を書いているが、本人のはどうもあまり売れてない。むしろカーペンターズのカバー(Song for Youに収録:日本では『トップ・オブ・ザ・ワールド』と表題曲が変わっている。これがまたカーペンターズを代表するような名盤なのだ)の方が売れたのではないだろうか。
Leon Russell
アーティスト: Leon Russell
メーカー: The Right Stuff
発売日: 1995/07/03
作家でも同じだが、あるアーティストを好きになると、その作家の出すものは常に追いかけて買ったりする。わたしはかなり飽きっぽい方なので、一時(数年)追いかけていても、そのうち飽きてやめてしまったりするのだが、数少ない(本当に少ない)例外として、既に十年以上追いかけているアーティストである。いまだ現役で出るものすべて買っているので、別にどのアルバムを挙げてもいいのだが(これより完成度の高いアルバムはいくらでもある。例えば:『名前をつけてやる』、『ハチミツ』、『フェイクファー』(スピッツのアルバムはどれもそうだが、これはジャケットからして素晴らしい)、『三日月ロック』など)今回は取り上げられることの少ないミニ・アルバムを挙げてみた。
オーロラになれなかった人のためにアーティスト: スピッツ、草野正宗
出版社/メーカー: ポリドール
発売日: 1992/04/25
メディア: CD
比較的初期の頃のアルバムである。これは評価が非常に分かれているが、わたしは(そのあまり洗練されてない、またはエグい)部分まで含めて、もしかしたら彼らの中でも稀にみる傑作なのではないかと思う。わりと一般に評判のいい「田舎の生活」はもちろん、「ナイフ」なども詩から曲までわたしの心をとらえて放さない。タイトルから推察できるように、映画音楽の名曲をヴァイオリンで流している。よいというほどのアルバムではない。だが、何も考えずに聴ける。ただ漠然と流しておくにはとても心地のよいアルバムである。この松野弘明というヴァイオリニストは、ヴィヴァルディの『四季』にユーミンの曲を乗せたものも録音している(『ユーミン・コンチェルト‘四季’』)。これも同様、ただ流しておくだけのものに過ぎないのだが、その上での立派な価値がある。
ニュー・シネマ・パラダイスアーティスト:
松野弘明 (Hiroaki Mazno)
メーカー: 東芝EMI
発売日: 1993/12/01
- バトンを渡す相手5人の名前(+ブログ等のURL)
バトンを下さったお二人には申し訳ないけれど、あらかじめdead-letter office(配達不能郵便物係)という語で示唆した通り、わたしは次に引き継ぐつもりは初めからない。ま、ひとりくらい行き止まりがあっても五人もいるし大丈夫だよね、と、ここで握りつぶす所存である。いや、非常に申し訳ないのだけれど。
音楽はあまり得意じゃないし詳しくもない。ただ気に入ったものを適当に聴いているだけである。なのであまりたいしたことが語れたわけでもないだろうが、答えている自分としてはとても楽しいアンケートだった。バトンを下さったお二人、どうもありがとうございました。