グルメマップ

 本サイトの方のグルメマップを二日かけて仕上げた。入れ物だけあって中身がなくてもしようがないので、5つに分けたマップのそれぞれに一店舗づつ紹介記事を書いた。
 マップを作っていて思ったのだが、日ごとに生活範囲が狭くなっていく。紹介するのは現在のわたしの生活圏にあるものだけにしようと思い、地図の範囲もかなり狭く区切ったつもりだが、それでもまだ広すぎたようだ。いわんやその外の範囲などもう長いこと近づいてもいない。
 あそこで食べたフレンチはおいしかったな、あの時一緒に行ったのは誰だったか。そんなことを思い返し、自分がその一角に近づかなくなって久しいことを考えると悲しくなった。よく遊んだ相手、いつもうろついていた自分のなわばりの一角だったところ、そうしたものがゆっくりと朽ちていき、気がつけば自分の一部ではなくなってしまっていた。何かがあってある日突然になくなるのではない、それはゆるやかにはびこる病のようなものだ。虫食いのように自分のなわばりの地図に穴があき、人間関係は失われ、気がつくともうそこには行き辛くなる。何か自分が納得できる理由を作らなければ人と会うのもままならない。