期待の遅延、あるいは期待の地平

 それで今日はそのフレンチレストランに行くことにした。行くことを考えるのは楽だが、いざとなるとなかなか身体が動かない。準備だけでも大変である。もう一度シャワーを浴び、体を乾かして、服を着替える。これだけで一時間かかる。タバコを吸って休憩し、コーヒーを飲んだら髪を整える。靴を選ぶ。誰に会うわけでもないのに、何をしているのかと自分に不愉快になる。
 部屋のドアを開け外に出たときにはもう予定していた時刻よりだいぶ過ぎていた。だが、まだ食事時は過ぎてしまってはいない。通りに出て、しばらく歩き、目的の店につく。
 7/17〜19は連休させていただきます。そんな張り紙がされ、店は閉まっていた。次に出かけられるのはいつだろうか、そのときも果たして出かけられるのだろうか。