重ね書き
言うまでもないことをわざわざ言うのは格好悪い。同じことを何度も言うのも格好悪い。それはわかっている、だが言っておかなければならない。それにもはやわたしなどいくら格好悪くたっていい。格好悪い事ばかりしてきているのだ。
わたしはひとでなしである。
言ってちょっとすっきりした。何を今更と自分でも思う。だが今ここで確認しておかねばならない。わたしは自分からにんげんらしさを諦めたのだ。いちにんまえのにんげんとして扱われるような資格を持たない、顔をそむけられてしかるべきひとでなしなのだ。
そのことについて一切言い訳はしまい。そのことを何かの言い訳には絶対に使うまい。わたしの吐いた毒を見て、なんと卑しいものだと思い、ただ蔑んでくれればそれでよい。わたしは何にも遠慮せず、あさましいやり方で自分と他人をさいなみつづけることにする。